棚原 洋子


■NPO法人あきみよ
代表理事

〒901‐2102
沖縄県浦添市前田3-3-8 カーサいしはんた
電話・090-9472-4414
■わ楽「花水木」主宰
■人権擁護委員(法務省委嘱)
■日本フードコーディネーター会員
■沖縄県調理師会員


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=工芸(漆器)に親しむ体験= 【沖縄そばを作る×漆器で食す】



   
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平和に向き合う美術展


■平和と鎮魂・犠牲を今に体感■
~糸満市摩文仁・平和祈念公園で黙祷~





沖縄戦体験者が少なくなり、「戦が引き起こす悲劇を風化してはならない」と、
不戦の誓い

を継承する人々がいる。言葉で伝える人。文字で伝える人。見えないものをアートに転換して可視化する美術家……。それぞれの立場で、犠牲の不条理と平和の尊さを訴えていて、頭が下がる。

第二次世界大戦の沖縄は、あまりにも大きな犠牲を強いられ、いまだに形をかえて県民を欺く事件が多発している。「平和と鎮魂」の祈りを捧げるために、沖縄戦終結の地である摩文仁の平和記念公園を訪ねた。

そこでは、慰霊の日に合わせて26日まで美術展が行われている。
題して
響く
つながる
創造する
いのち

【マブニ・ピースプロジェクト沖縄】



綾蝶(あやはべる)


 かって沖縄では、女性は霊的な力を持っていて兄弟を守護するという考えがある。先日、元海兵隊員による女性暴行殺害事件があり、基地があるがゆえの蛮行に怒りの抗議集会があった。そこでは、綾蝶(あやはべる)のプラカードを使って、犠牲者への追悼と怒りを表した。
 綾蝶(あやはべる)は守護神(おなり神)の化身で、危険から身をまもると言い伝えられている。抗議集会では危険(米軍基地)から身をまもる意味で、県民の思いを「あやはべる」に託したと報道されていた。



歴史を記憶する摩文仁の丘




吾がおなり御神の
守らてて おわちやむ
やけ ゑけ


又 妹おなり御神の
又 綾蝶 成りよわちへ
又 奇せ蝶 成りよわちへく


【歌意】
おなり神(蝶)が我を守るために来たぞ
お!なんと嬉しいことか。
妹おなり神が、美しい蝶となってやってきたぞ。

=おもろそうしより=

✳おなり神とは✳

おなりとは姉妹のことを指し、姉妹の霊力に対する信仰が《おのり神信仰》と呼ばれる。
姉妹の霊力とはいったい何なのでしょう?
その昔、男兄弟が航海や戦争という命の危険を伴う場所へ向かう際、彼らに災いがないよう加護するため姉妹の髪などをお守りとして持たせて、送り出したと言い伝えられている。





阿鼻叫喚の舞台となった断崖絶壁の海


喜屋武岬などと同じくこの摩文仁の丘からも沢山の人間が追い詰められて飛び降りて死んでいった。
沖縄では糸満市を中心に「鉄の暴風」と呼ばれた激しい戦闘があり、多くの犠牲者がでた。砲撃の末に残った不発弾は、戦後71年たった今でもあっちこっちで見つかり、その不発弾処理がたびたび行わている。


■平和と鎮魂・向き合う美術■



いつのまにか=不発弾《ローゼル川田》


戦の時も太陽は照りつけていた
月は闇夜を照らしていた
潮騒も聞こえていた
戦が終わり、敗戦後の世になった
いつのまにか基地が住みつき
不発弾までも住んでいる





負の遺産と今=ヘルメット《新垣安雄》


多くの戦死者を生みながらも
その遺骨さえも完全収骨に至らない
ドイツのベルトブレヒトの詩に
見ろ!敗残兵の鉄兜だ
僕らがみじめに負けたのは
こいつが頭から打ち落とされた時ではない
おとなしく、僕らがこいつをかぶった時だ

沖縄の地に、戦争につながる基地をおとなしく受け入れてはならない。沖縄の魂は、真の平和を希求することである。




輪郭を持たない透明なその存在・レクイエム

平和祈念資料館に入ると、平和の礎が見えるガラス一面に無数の白い水玉が貼られていて、その数に圧倒される。

平和の礎に刻銘されている241,414を来場者と一緒に貼る行為によって、膨大な犠牲者の数を可視化するというアートである。






ウガンシリーズ《仲里安広》


円柱を二分割し、その上に平和の礎と世界各国の旗を壁面にしてある。柱の部分は、戦後から今年までの沖縄の歴史を記録した72年分の年表とその不条理に祈りを捧げる72個の香炉で制作されている。

企画展示室では、作者の思いを視覚化した展示や映像によるメッセージがあり、71年の苦難の歴史が充満していた。

守護神の化身である綾蝶(あやはべる)の彫金や絵画が展示されていて、守護神に祈ることで心の拠り所を安定させる生き方が見えてくる。

【構造的な沖縄差別】を視覚化したという屋良朝彦さんの作品は、ヒラウコウ(沖縄線香)が使われていて、基地が集中する沖縄本島中北部の地図が描かれている。研磨して貼り付けてあるアルミ缶のメタリックな鋭い質感は、日米に向けられ県民の視線であろうか。
分断するかのように線として並べられたヒラウコウのい地図から、耐え難い苦しみと怒りが伝わる。
ごく一部しか紹介出来ないが、どの作品からも、拭えない歴史の記憶と現状が表現されていて、思いを可視化する美術の偉大さを実感した。




平和の火


「平和の火」は、沖縄戦最初の上陸地である座間味村阿嘉島において採取した火と被爆地広島市の「平和の灯」及び長崎市の「誓いの火」から分けていただいた火を合火し、1991年から灯しつづけた火を、1995年6月23日の「慰霊の日」にここに移して灯した。

■平和の礎■
~平和の波永遠なれ~



平和の礎



【平和の礎】は、沖縄の「平和の心」を世界に伝えようと、沖縄戦終結50年を祈念し、1995年に摩文仁が丘に落成した。

礎には、国籍・軍人・非軍人を問わず、沖縄戦で亡くなったすべての人々の氏名が刻まれている。
礎は、平和の波永遠なれを意匠化して波形になっている。


平和の波 永遠なれ






与那覇大智の【裏庭の宴】の作品は、フェンスの網を貼ったキャンバスに色層を重ねていた。哀しくも日常の光景となった沖縄の姿である。
作家からのメッセージに気持ちが洗われる。
醜い時代の中で
真の美しさを求めることを諦めないこと
その為にも、表現者として絵筆を離さない



平和と鎮魂・犠牲を今に体感するアート展、思いを共有して命が揺さ振られる一日となった。




…………


わ楽「花水木」主宰・棚原洋子
NPO法人あきみよ 代表理事
日本フードコーディネーター協会会員
沖縄県調理師協会会員
日本食育インストラクター
《事務局》
沖縄県浦添市前田3-3-8カーサいしはんた
電話:090-9472-4414(代表)
E-mail:okinawa-sigen@at.au-hikari.ne.jp






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